268: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:39:46.77 ID:Bg3Eqo0s0
ある時、息を吸う音がした。
止まっていた時間が、もう一度動き出した。
『love song のようにきらめき
love song のようにときめき』
心の中を吐露するように、静かで繊細なピアノの音に乗せてこのみは歌う。
このみが声を紡ぐたびに、少しずつ音と光は増えていった。
音はこのみの鼓動を乗せて、ステージから客席へと伝わっていく。
溢れた光は暖かくて、この空間を優しく包み込んでいくみたいだった。
『──想えば想うほど恋しいよ』
桃色の光たちの向こう側には、大切な人がいてくれる。
ねえ、貴方の声は届いていたんだよ。
このみは、そっと微笑んだ。
321Res/210.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20