262: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/12(金) 00:32:44.83 ID:Bg3Eqo0s0
『love song のようにきらめき
love song のようにときめき』
雪のように真っ白な、無垢の光の中でこのみは歌う。
鶴が青年に初めて出会ったときのように、大切な場所を照らし出してくれた、暖かな光だった。
この子が恋をした、眩しさも、胸の高鳴りも、全部を歌に乗せて──。
『想えば想うほど恋しいよ』
ロングトーンに合わせるように、小指を立てて、身体の前でゆっくりと掲げた。
このみの目の前には、桃色の景色が広がっていた。
このみの伸ばした指先に応えるみたいに、サイリウムの光たちも、真っ直ぐ上を向いていた。
その先に、みんなの顔が見えた。
みんなの声が聞こえてくる。
涙が出そうになって、そっと微笑んだ。
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