231:(10) ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/11(木) 22:09:06.30 ID:E/BVepxA0
莉緒の言葉に、春香は、何かあったかな……といった様子で考え込んだ。
しかし、少し経ってから、何かを思い出したように、ゆっくり話し始めた。
「ええと、上手く言えないんですけど……。私が舞台に立ったとき、『演技って本当に人それぞれなんだ』って。……そう、感じたんです。」
静かに、春香はそう言った。
その言葉からは、春香自身の経験を感じさせる説得力があり、このみと莉緒は思わず息を飲んだ。
「あのとき美希も一緒だったんですけど、全然私と違ってて。……演技ってやっぱり難しいなあ、って思っちゃいました。」
「『演技は人それぞれ』……。うーん……。私はあんまり考えたこと、なかったかしら。」
「私は、少しだけ分かる気がする、かな。……正解なんてもしかしたら無いのかも、って。そういう事なのかしら。」
「えっ?姉さん、それって……どういうこと?」
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