219: ◆Kg/mN/l4wC1M
2020/06/06(土) 21:28:54.86 ID:3DhfCsSR0
このみが気づけば、数十分あったはずの待機時間も、既に経ってしまっていたらしかった。
扉をノックする音がして、直後部屋に入って来た女性スタッフが、参加者たちに準備が整った旨を伝えた。
このみは他の参加者たちと一緒に返事をして、手に持っていた台本を鞄の中にしまった。
台本を含め荷物は持ち込めないことになっている。
このみ達は荷物を置いたまま、部屋を出た。
スタッフの案内に付いていくように、このみ達は廊下を歩いていた。
このみは自分の心臓が音を立てるのが分かった。
悔いの残らないように──。
それだけを噛みしめて、このみはオーディション会場の扉を見据えた。
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