11: ◆Kg/mN/l4wC1M
2019/06/16(日) 20:52:25.59 ID:aN661FRYo
このみは、はぁ……、とため息とも返事ともつかない微妙な声を上げつつ、
ちょうど目の前の位置にあった件の資料の束を、まるで紙の感触を確かめるようにそっと指先で転がした。
「『鶴の恩返し』って、悲しいお話よね……。」
このみはテーブルに体を預けたまま、そう声を漏らした。
彼女の目は相変わらず資料に向けられたままであったが、どこか別の場所を見ているようにもみえた。
「ほ?どうしたのです?」
そのこのみの様子を見かねて、まつりはそう尋ねた。
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