1:名無しNIPPER
2019/06/11(火) 12:26:02.67 ID:8Kxlpx7EO
「どういう自分になりたい?」
きっかけは、気まぐれの一言だった。いや、彼女はわざとこんなことをいったんだろうか。
幼年期の、少しだけ分別が付き始めた頃。
アリの死骸を見つけたら、悲しくなるということをわかり始めた頃。
相手が嫌な気もちだと、自分も嫌な気持ちになるんだと、気づき始めた頃。
当時、僕らはまだ、七歳だった。
「すごいひとになりたい」
すごいひと。漠然とした、子供のふわふわした思考。
子供の頃、世界はもっと狭いと思っていて、周りが幸せなら、世界全体は幸福だと思っていて。
不可能なことはなかった。世界とは、自分のもので、自分そのものだった。
――願えば、なんでも叶うと、思っていた。
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/06/11(火) 12:28:02.87 ID:8Kxlpx7EO
「どんなすごいひとになりたい?」
僕よりほんの少し、具体的な考え方。ふわふわを、ほんの少しハッキリとさせる思考法。
思えば、子供のわりに、彼女は大人なびていた気がする。
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