150: ◆8s3Vqae61o
2019/06/10(月) 22:04:27.85 ID:N66EidO40
男「お市様、違うでしょう」
お市「……違う、とは」
男「自分はお市様と言葉を交わした機会は、数える程度にしかありませぬ」
男「ですが、お市様は桶狭間の戦いでは、絶望的な戦力差から逃げ出す兵もいるなか、自ら進んで戦場に身を投げました」
男「おそらく、勝家殿辺りには止められたのでは?」
お市「……ええ。『戦は我ら武人の務め、戦場に立つのはおやめくだされ』と諌められました」
男「でしょうね。自分が知るお市様は芯のある強い女性。そう思っていました」
男「自分のようなの武士には、お市様のような可憐な華を慰める術を知りませぬ。故に、あえて言わせていただきます」
男「お市様、貴方の本心をお聞かせください」
お市「!」
男「道を遮る壁を前に嘆く姿は似合いませぬ。織田の姫ではなく、一人の女性として、戦場へ繰り出した時のような強き姿をお見せください。本当の気持ちを、自分にお聞かせください」
お市「…………」
男(し、しまった!落ち込んでいる女性に対して、きつく言い過ぎたか!?)
お市「私は、私は――――――」
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