白雪千夜「吸血鬼の定義」-SS速報VIP

白雪千夜「吸血鬼の定義」

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1:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:34:27.02 ID:edxERre50
朝、目が覚めたら全てが燃えていた。

両親も家も。

白雪千夜の世界は全て燃え尽きて灰になった。

それなのに何故。

私は灰になっていない。

灰被りになんて私はなりたくなかったのに。

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2:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:35:54.33 ID:edxERre50
「お嬢さまの苦手なものを知りたい、ですか？」

事務所でお嬢さまを待っていたらプロデューサーからそんな話をされた。

「千夜に聞いた方がちとせに聞くより確かだと思うからな」

以下略 AAS

3:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:37:05.20 ID:edxERre50
「本来はちとせに聞くべきなんだろうけど、真面目に答えてくれるかわからないからな」

わからなくもない。

自分の弱点なんて、お嬢さまが一番面白がる話題かもしれないから。

以下略 AAS

4:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:38:20.33 ID:edxERre50
「まずニンニク、は食べられるんだよな」

「そうですね。アイドルになってからは減りましたけれど、臭いを気にしない時は召し上がっています」

「日光、も浴びてるな」

以下略 AAS

5:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:39:03.54 ID:edxERre50
「招かれなければ部屋に入れない」

「そうだったら行動範囲が狭まって私もお世話が楽なのですが」

「胸に杭。銀の銃弾」

以下略 AAS

6:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:40:34.40 ID:edxERre50
「屈辱ですが、私も以前にお前と同じことをお嬢さまにうかがったことがあります」

「屈辱なのか」

「はい。そしてお嬢さまの返答はこうでした。ニンニクとか流れる水とかそんなのは関係ないんだよと」

以下略 AAS

7:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:41:49.91 ID:edxERre50
「本質が大事ってことか。でも『血を吸うこと』はともかく『血を吸う自分を受け入れていること』？」

お嬢さまに今の話を聞いた時、同じことを私もたずねた。

するとお嬢さまは「もちろん」と頷いた。

以下略 AAS

8:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:42:52.93 ID:edxERre50
アイドルとしての日常を終え、自宅に戻ってお嬢さまのお世話をしていたらもう一日が終わる。

一日が早いことを充実していると呼ぶべきか、無駄に過ごしていると呼ぶか判断に迷うが、とにかくもう夜だ。

「それでは私は部屋に戻ります。お嬢さまも夜更かしなどしませんよう」

以下略 AAS

9:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:43:46.76 ID:edxERre50
お嬢さまに挨拶をして私は私の寝室に戻る。

ふと窓の外を見たら、たしかに月が煌々と輝いていた。

そういえばあの朝の前の晩もあんなふうに月が輝いて……。

以下略 AAS

10:名無しNIPPER[saga]
2019/06/08(土) 13:44:46.89 ID:edxERre50
夢の中は全てが燃えていた。

カーテンの隙間から差し込む朝日を浴びた私の体は瞬く間に炎に包まれて、炎は部屋へと燃え広がり。

家も両親も炎に飲まれて。

以下略 AAS

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