46: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/06/05(水) 07:27:06.72 ID:QekJgiX40
少女「あんた、道端で倒れてたのよ。頭でも打ったんじゃないの?」
少年「助けてくれたんですか?」
少女「ここまで運んだだけだけどね」
少年「それは、ありがとうございます」
少女「いいのいいの。…ところで、ここがどこだか分かる?」
少年「いえ……」
少女「ここは私の部屋よ。そんで、この隣はあんたの部屋。ここは私たちが暮らしてる寮ね」
少年「寮……」
少女「ね、何か覚えてることはないの?」
少年「それが、全然なんです……自分の歳くらいなら分かるんですけど」
少女「…そこまではさすがに、ね」ボソッ
少年「え?なんですか?」
少女「何でもないわ。でもそっか、そのうち思い出してくれるといいけど、それまでは大変ね。右も左も分からないんじゃ……明日も学校あるのに」
少年「そ、そんなぁ〜」
少女「安心して」
少年「えぇ…?」グスッ
少女「──私が何とかしてあげる!」
少年「なんとか、ですかぁ?」
少女「そうよ。あんたが思い出すまで、色々教えてあげる。ここでの生活の仕方、歯磨きの仕方、前蹴り、切り裂き……全部ね!ふふ」
少年「ほ、ほんとですか!?」
少年(なんか変なの聞こえたけど)
少女「えぇ」
少年「あ、ありがとうございます!本当に!」
少女「いいのよ。私が好きでやってるんだから」
少年「好きで、ですか?」
少女「そうよ」ニコッ
少年「……っ」ドキッ
少女「そういえば、あんたの名前、まだ教えてなかったわね」
少女「あんたは、少年」
少女「で、私は少女」
少女「──改めて、これからよろしくね」
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