268: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/06/14(金) 08:35:24.63 ID:W5M1VpEIO
少女「こいつはね、自分にボーカロイドとして生まれてきた意味を教えてくれた前の持ち主のことが好きだった」
少女「……それこそ、この世界であたしたちのことを見守るくらいに」
少年「俺たちのことを見守るって?」
少女「女から聞いたでしょ?あたしたちがこの世界でウイルスから分けられ、自我を持つことが出来たのはこいつの前の持ち主がこいつに何か仕込んだからだって」
少女「だから、あたしたちのことを前の持ち主が残した忘れ形見とでも思ったんでしょ」
少女「……でも、今回の騒動でこいつは前の持ち主の現況を知った」
少女「生きる希望がなくなって、何もかもを諦めた……そんな死んだように生きている現状」
少女「この女がやろうとしたことは、そいつの目を覚まさせること。すべての元凶であるあの人……おじいちゃんに向けた小さな復讐をすることでね」
少年「復讐……」
少女「それが今よ」
少女「今こうして、あたしが存在していること。それこそ、おじいちゃんの思惑からはずれた結末」
少女「あのウイルス自体は正常に動作したことになってるから、もう彼らがこの世界に干渉してくることはないんじゃない?」
少年「そうか……」
少年「女ちゃん………」
少女「………」
少女「……辛気臭い顔しないの」
少年「だってよ……」
少女「何のためにここに戻ってきたと思ってるのよ」
少年「えぇ…?」
少女「………」スッ(目を瞑る)
少年「……」
少女「………」
少年「……何やってんだ?」
少女「………」フッ(目を開ける)
少女「……やっぱりね」
少年「??」
291Res/285.23 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20