266: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2019/06/14(金) 08:28:28.62 ID:W5M1VpEIO
少女「……少年、あんた……本当に何も分かってないの?」
少年「何もって……いや、この世界で何が起こってたのかは分かったつもりだよ!」
少年「……女ちゃんに教えてもらって、だけど」
少女「そこじゃなくて。女が何をしたのか、よ」
少年「女ちゃんが?……売人に会って、それから……」
少女「………」
少年「……なんだろう。……んー……」
少年「……お前が居ることが嬉し過ぎて今は何も考えられないや」フッ
少女「っ…」ドキッ
少女(〜〜〜!)
少女「……なんであたしが消えてないんだと思う?」
少年「消えてないっていうか、一回消されたけど戻ってきた……んじゃないのか?」
少女「だとしたら、いつ戻ってきたの?」
少年「それは……やっぱり色々見て回ってるうちに?」
少女「残念ながらハズレ」
少女「…消えてないわよ。一度も」
少年「えっ。……でもお前ここで起きた時初めましてとか言って………あ!」
少女「ふふっ、気付いた?」
少年「……消えたフリしてたんだな?」
少女「♪」ニコ
少年「なんだよ……どれだけ俺が──………」
少女「俺が……なぁに?」ニヤニヤ
少年「っ……」
少女「……」ニヤニヤ
少年「……あーもう!」
少年「寂しかったよ!死んじまうかと思うくらいになぁ!」
少年「たった数時間……お前が消えたと思ってたあの時間で一生分の辛さを味わった気分だった!」
少年「これで満足かっ!?」
少女「──」
少年「……ったく、趣味悪いぜ……ほんと……」
少女「……『愛してる』人が消えたら、そりゃ辛いわよねぇ」ニヤニヤ
少年「っ」カアァァ
少年「………そう、だよ」ボソッ
少年「って待て!今は何でお前が消えてないのかって話じゃなかったのか!?」
少女「…ん、そうね」
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