【天華百剣】('A`) 大事なことは全部春画が教えてくれたようです【ブーン系】
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39: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/05/30(木) 00:34:50.52 ID:Ld52lx/10
('A`)「丑三つ時か……付き合わせて悪いな」

小竜景光「お気になさらず。これも巫剣の務めですので」

('A`)「真面目な相方で助かるぜ。こんな時間だ、先に休んでくれ」

小竜景光「宜しいのですか?」

('A`)「簡単な手直しだけだ。直ぐに終わる」

小竜景光「それでは、お言葉に甘えましょう。ではあるじ、お休みなさいませ」

('A`)「ああ、おやすみ」


小竜を自室へと帰らせた後、徳男は大きく伸びをして肩の骨を鳴らし、報告書を一まとめにして封筒へと納める
そこに封蝋を垂らし、御華見衆の印璽を押し当て型を付け、冷めて固まるまでしばし待った


('A`)「……」


手持無沙汰になった彼は、ランタンに灯される自身の仕事場をぼんやりと眺める
他支部に負けずとも劣らない賑やかさを誇るこの場所では、静謐の中で孤独に過ごす時間は貴重だ
右手を失い、名と顔を変えて始まった第二の人生も数年が経つ。巫剣使いとしては参羽鴉の中でも最古参だ


('A`)「……」


癖の強い同僚や、超常の力を持つ巫剣との共同生活に、禍憑という異形との命がけの戦い
安寧とは程遠い日々だった。誰しも寝物語のような世界に突如として放り込まれてしまえば、気が休まる暇も無いだろう
それでも彼の生活はこれ以上なく充実していた。好きなものを好きなだけ開発し、愛すべき人形たちとの茶会を楽しみ
技師としての腕を競い合う相手に恵まれ、気を一切使う必要のない悪友も出来た
もしも第三者に『人生は幸せか』と問われたならば、自信を持ってこう答えるだろう


「当然。面白い人生だ」と


('A`)「……偶には孝行しとくか」


不意に溢れ出た第二の人生を齎した『立役者』への感謝の気持ちは、眠気と酔いを醒まし、彼の創作心に火を付けた
封筒を脇へと退かすと、鋼の右手で工具を掴み、眠りに就く『家族』達を起こさぬよう

ただ一人に『喜び』を贈る為に、静かに作業を開始したのであった


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