19:名無しNIPPER[saga]
2019/05/28(火) 14:45:20.79 ID:VZdRWGZA0
シンジは突然目を覚ました。そこは、赤い光によって不気味に照らされた、隔離施設のような部屋だった。シンジが目覚めたのは、その中に置かれた無骨な装甲で被われているベッドの上だった。
慌ただしく駆けていく足音と、ストレッチャーの車輪がきしむ音とが、廊下に響き渡る。シンジの目覚めたベッドは、何者かによってエレベーターに乗せられて、どこかへ移動しているようだった。
「心肺機能は正常です。四肢の麻痺も認められません。ハイ。目は開いてます」
シンジの直ぐ近くで、若い女性の声が聞こえる。その女性は、仰向けになって天井を見上げているシンジの視界を覗き込むようにして、シンジに声を掛ける。
「私の言葉が理解できますか?」
若い女性は、褐色の髪にベレー帽を乗せ、首に青いスカーフを巻いた格好をしていた。表情はまだあどけなく、女性というよりは女の子と言った方がしっくりくる容姿だ。シンジは、状況が理解できないという風な怪訝な表情を向けながら、彼女に質問を返した。
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