8:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:33:54.27 ID:DSD3mREC0
「冗談よ。いいじゃない、先におかしなこと言ってきたのは、春香なんだから」
「それは……そうですけども」
9:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:34:43.67 ID:DSD3mREC0
気になる間があった。まさか、もう引退をかんがえているなんてこと―――
「あっ、いえ。そうじゃないわ。私も、まだ辞める気はないわよ」
10:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:35:18.17 ID:DSD3mREC0
…………。
というか、お酒の話から、ずいぶん真剣な話になってしまった。なんだろう、呑みの席じゃなくて、お酒の話題だけでも酒気にあてられるなんてこともあるんだろうか
。
「よし! 真面目な話はここまで! もうちょっと気軽な話にしよ!」
11:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:36:01.96 ID:DSD3mREC0
いつか来る未来ではなくて、あったかもしれない世界の話なら。何も気にせず話せるんじゃないだろうか。
例えば私が、もしも、お菓子作りの腕をさらに上げて、パティシエの世界に……とか?
「ああ、そういうこと。……確かに春香なら、そんな道もあったのかもしれないわね」
12:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:36:51.44 ID:DSD3mREC0
呆れているようです。おかしいな、上手いこと言ったと思ったんだけど。今度のMCでも試してみようかな?
「やめてちょうだい。それ、私も巻き込まれるでしょう」
13:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:37:22.42 ID:DSD3mREC0
「……ああ、でもやっぱりわかったわ。私たち、もうアイドルやめられないわね」
「え? なんで?」
14:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:38:36.62 ID:DSD3mREC0
「……どうしたの? 急にだまって」
千早ちゃんは、首を傾げている。
15:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:39:25.07 ID:DSD3mREC0
空笑いなのは、伝わっているだろう。
千早ちゃんは、しばらく黙っていた。
……けれど。
16:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:40:18.77 ID:DSD3mREC0
「アイドルが続けていられるかは……さっき春香に励まされたけれど、正直今でも不安よ」
「……うん」
17:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:40:47.79 ID:DSD3mREC0
「あなたなら、どんな『もしも』でも、必ず私に声を掛けてくれるって」
「――――――え?」
18:saga[saga]
2019/05/26(日) 21:42:00.50 ID:DSD3mREC0
……我ながら、ずいぶん夢の話に引っ張られて、ネガティブになっていたみたいだ。
そうだった。たかが、夢なんだから。しかも、悪夢じゃなくて、楽しい夢ときてるんだから。だったらあれこれ悩まず、ただ楽しかったで済ませばそれでよかったのに。
目を覚ませば、みんなが。千早ちゃんが、待っているんだから。
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