19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:47:10.10 ID:YWfCY9A20
「こんなに落ち着いてられるのもアリサちゃんのおかげだよ。ありがとね、親身になって話を聞いてくれて」
「……別に。沙綾に……あんたじゃないわよ? あたしたちが知ってる沙綾の方だからね? ……えっと、つまり、そう、沙綾に何かあったんじゃかすみんもみんなも悲しむからね。それだけなんだから」
「…………」
「なによ、そんなじっと見つめてきて」
「あ、ごめん。やっぱりどこの世界の有咲も有咲なのかなぁって思って」
「はぁ?」
アリサは少し肩を怒らせ、沙綾をねめつける。その姿に『やっぱり有咲っぽいなぁ』とますます沙綾は感じて思わず頬が綻ぶ。アリサは面白くなさそうな顔をして、ツインテールを靡かせながらそっぽを向いた。……ほんと有咲っぽいなぁ、この子。
「えっと……その、サアヤちゃん?」
そんな2人のやり取りを黙って眺めていたカスミがおずおずと声を出す。
「うん、なに……えーっと、カスミちゃん?」
「あの、その……」
「…………」
返事をすると、カスミはおっかなびっくりという様子で視線をあちらこちらに彷徨わせ、何か言葉を探しているようだった。沙綾はそれを黙ったまま見守る。
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