182:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 12:57:35.47 ID:YWfCY9A20
真紅の星を携えた香澄を先頭に、彼女たちは歩を進める。有咲、りみ、たえと続き、沙綾は一番最後にステージへ上がった。
真っ白なステージライト。それが眩しくて、熱い。ああ、ライブだ。ライブハウスでライブをやるんだ。
そう思うと、さっきまでよりもずっと大きな気合が身体中に漲っていく。
それぞれが所定の位置について、アンプと楽器を繋ぎ、調整する。
それが終わると、五人は目を合わせ、「うん!」と頷き合った。
「みなさーん! 初めましてー!」
元気な香澄の声がマイクを通してステージに響く。ハウリングを起こしそうなくらいに大きな声だ。それに釣られて、観客席からも歓声が上がる。
「わたしたち、」
『Poppin'Partyですっ!』
一呼吸おいて、五人の声が揃う。打ち合わせは特にしていなかったけど、こういう風に紹介やりたいね! なんて話はしたことがあって、それをみんなが覚えていたようだった。
うきゃー! と香澄が嬉しそうに笑う。有咲も少し紅潮した顔で微笑む。りみはステージライトに眩しそうに目を細めていて、たえはいつもよりもずっと凛々しい顔をしていた。
沙綾は、そんなみんなを一番後ろから見守っている。顔は見えないけど、でも、みんな絶対そういう顔をしているだろうな、という確信を持っていた。
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