15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/25(土) 10:43:36.53 ID:YWfCY9A20
「そんで、多分、だけど」
「うん」と、再び沙綾とカスミの声が被る。
「どうしてそうなってるとか、なんでこうなったとか、そんなのは分かんないけど……今ここにいる山吹沙綾は、きっとそんな『たられば』の世界の沙綾なんじゃない?」
「……はぁ?」
「……えっと?」
いまいちピンと来なかった沙綾は首を傾げた。床にへたり込んでいたカスミも同じように首を傾げる。
「だから……えぇっと、並行世界……パラレルワールドって分かる?」
「SF映画とかであるような?」
「そう、それ」
「え、えっと……?」
「かすみんは分かってないみたいね……。簡単に言うと、ここではない別の世界のことよ」
「う、うん……?」
その言葉を聞いたカスミは、曖昧な声を出しながらなんとなく、という風に頷いた。本当に香澄なのかな、この子……と沙綾が思う横で、アリサは大仰なため息を吐き出す。
「絶対分かってないわね……。それじゃあこう! このただっぴろい宇宙のどっかに地球と似た星があって、そこにはあたしたちに似てるけど、全然まったく違うあたしたちがいるかもってこと!」
「……なんとなく分かった……と思う」
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