10:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:08:52.72 ID:ERzHuNUU0
でも、今まではお仕事に関して相談したい、だなんてなかったのに、急にどうしたんだろう。私はお仕事を選別する立場じゃないからどんなお仕事でも受けたい、とは思っているけどなぁ。
「えっと……相談しなきゃならないほどのお仕事って何でしょうか?」
「さっき企画の打ち合わせしてたんだよ。でも智代子が少し嫌がるかなって思ったからさ」
11:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:09:34.21 ID:ERzHuNUU0
「企画内容としては『アイドルが恋を語る』というアイドル雑誌のコラムがあるんだ。それを智代子に書いてくれないか、というのが出版社から来たんだよ」
「雑誌のコラムを私が書くんですか?」
「うん、そうなんだけどな。アイドルが恋を語るっていうのもなぁ……と思ってね。あとさ」
12:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:10:06.68 ID:ERzHuNUU0
私は普通という自覚はある。けど、それをお仕事関係の人たちに言われるのは……やっぱり深く刺さっちゃうなぁ。
「んで、どうする? 受けなくてもいい。君の判断に任せたい」
どうしようかな。でもプロデューサーさんがせっかく見つけてくれたお仕事だから……。
13:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:10:44.85 ID:ERzHuNUU0
「一応さ、聞いてみていい?」
「はい! 私は確かに普通だと思ってます。けど私のことを認知してくれて、親近感を覚えてくれて。それの期待に応えたいなって思ったんです」
私がこの企画を聞いて思ったことをスラスラと述べると、納得したようにプロデューサーさんは頷いた。
14:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:11:31.29 ID:ERzHuNUU0
私、恋なんて分からないよ。
自分の勢いよく飛び出した言葉と裏腹に、少しだけ自信がなくなっていくのが分かった。
15:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:13:16.61 ID:ERzHuNUU0
◆◆◆
「あ〜〜もぉ〜どうしよ〜〜!」
したことのないことは、書けないなぁ。
16:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:13:53.19 ID:ERzHuNUU0
その疑問が何なのかも分からない。
天井を仰いだ。頭がすっきりさせたくても、できなかった。
「プロデューサーさんはどんな恋をしてきたんだろう」
17:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:14:30.04 ID:ERzHuNUU0
『恋』は、私だけには解決できない課題だと思った。だから明日はユニットのみんなに聞いてみよう。
うん、それがいい。私だけじゃ分からないもん。私だけでコラムを書いてくれなんて言われてないもん。
あっ、そうだ。
18:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:15:16.38 ID:ERzHuNUU0
◆◆◆
「夏葉ちゃん!」
「あら智代子、おはよう。朝から元気ね」
19:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:15:47.60 ID:ERzHuNUU0
まあ分かってたこと。哲学的で難しい問いかけだもんね。
「まさかあなた……好きな人でもできたの!?」
「ち、違うよっ!」
20:名無しNIPPER
2019/05/24(金) 22:16:25.47 ID:ERzHuNUU0
「へぇ意外ね」
「意外?」
「そう、意外だわって思ったの。智代子がそういうの積極的にやるなんて」
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