5:1[saga]
2019/05/12(日) 10:32:19.09 ID:rAt6C6H50
〜工廠裏)〜
提督「さてと、それじゃあ早速飛んで見せようか。矢矧、よかったら一緒に飛ぶか?」
矢矧「え、遠慮しておくわ。正直、人が空を飛ぶなんてまだ信じられないし、一緒に飛んでもし落ちたりしたらなんて考えると怖いわ」
提督「そうか、残念だな…まあ俺も久しぶりに飛ぶしまずは1人で感覚を思い出すとするかな」
そういって提督は私たちから10Mほど離れると深呼吸を行った。
提督「スゥー...ハァー...(長いこと放っておいてすまなかったな、俺の相棒、蒼燕) よし、行くぞ!」
そして、提督は戦争中には見せることのなかったおもちゃを買ってもらったばかりの少年のような笑顔で「フライ!!!」と叫んだ。
その直後、提督の装着した蒼色のグラシュから綺麗な羽が現れ、提督はまるで1羽の燕のごとく空へ飛び立った。そして、そのまま提督は時折戦闘機の回避運動のようなものも交えながら空を自由に飛び回り始めた。
矢矧「嘘…」
明石「やっぱり!すごい!本当に飛んでる!うわあ、どんなシステムなんだろう、気になるなー!」
提督(ははは、久しぶりだったけど上手く飛べたな。しばらく離れていても体は覚えてくれていたか。…それにしても、ああ、楽しい。楽しいなあ。そうだ、深海棲艦が現れるまで空はこんなにも広くて、自由で、美しかったんだ。俺達は、この空を取り戻せたんだ。今、ようやく実感が沸いた)
提督(8の字、急速上昇、急速旋回…昔のまま動けるな。しかし、もう少し飛ばしたいな)
矢矧(本当に飛んでる…いえ、まるで空を泳ぐ魚のようだわ。それに、とても楽しそう。あの靴を履けば私もあんな風に飛べるのかしら)ドキドキ
提督「矢矧―!明石―!少し辺りを飛んでくる!悪いが20分ぐらい待っててくれ!」
矢矧「え!?ちょっと提督!?…行っちゃった」
本当に人が飛んだという事実と、あまりにも楽しそうに空を飛ぶ提督の姿を見て、茫然としているうちに提督は行ってしまった。
さっきから興奮しっぱなしの明石さんと、私の胸の高揚を残して。
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