「路地裏で猫を撫でたら、不思議な場所についた」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/05/11(土) 18:26:19.38 ID:HFGR9fg7O
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「……い、おい、おいおい」
「んー……」
何か柔らかいものが頬にぽにぽにと触れる心地よい感触。
眠る前の記憶がぼんやりして思い出せない。
まどろんで向きを変え、再び眠ろうとした望田は、何やら覚えのある「ぽにぽに」の正体にふと思い当たった。
あ、猫の手だこれ。
「目ぇ覚ましたかい」
「ひぃっ!!」
目を開くと、自分をのぞき込むスーツ姿の猫。
思わず突き飛ばし、ベッドの上で後ずさりをした。
「いちち、何じゃいいきなり」
「えっはっ、えっ、猫が喋って、えっ!!」
「ああいかんなこりゃ、記憶が混線しておるのか」
肩で息をするパニック状態の望田とは裏腹に、二本足の猫は落ち着いた様子だ。
打った腰をさすりながら、ベッドと反対側の大きな本棚から一冊の本を取った。
「ええと、唄医者の寄こしたのはこれだったかな。少し落ち着かせりゃあいいから、『草原』第3節から……」
猫はぶつくさと呟きながら戻ってきた。
そして慣れた様子で本を開くと、おもむろに言葉を紡ぎだした。
「『開け草原の扉、彼方より此方へ、此方より彼方へ――』
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