15:名無しNIPPER[saga]
2019/05/01(水) 00:18:03.90 ID:BuD0NEls0
龍驤「………」
龍驤(ウチだって、睦月達が言いたいことは分かる。自分でも、徐々にヤバい顔になっていってることくらい……分かってるんや)
龍驤(最初に司令官がウチを見た時、すがるように抱き締めてくれたのは今でも忘れへん)
提督『文月……もう、どこにもいかないでくれ……!俺を残して、一人でいかないでくれ……!』
龍驤(そん時、ウチは……最低やけど、司令官の愛を独り占め出来たみたいで嬉しかった)
龍驤(それと同時に、ずっと生きる屍やった司令官が口を聞いてくれたことで……嬉し涙が出てきたほどや)
龍驤(でも、その愛は所詮紛い物。司令官は『ウチ』やなくて……『文月』を見とる)
龍驤(ウチが一生懸命文月を演じれば演じるほど、司令官が注いでくれる愛が……ウチに向けてのものやないって、気づかされる)
龍驤(このまま文月を演じ続けてたら、ウチはどうなるんやろう……ウチがウチじゃ無くなってしまうんちゃうか……?)
龍驤(そうした不安にかられたのは一度や二度やない。ここ最近、毎日襲ってきよる。たまにトイレで吐いてまうほどや)
龍驤(……でもな?今更やめる訳にはいかん。司令官は、やっと今までみたいに振る舞ってくれるほどに回復してくれた)
龍驤(ここでウチが演じるのをやめれば、司令官はきっと……また、あの日のような生きる屍に戻ってまう)
龍驤(そんなこと、ウチが絶対にさせへん……!司令官の心は、ウチが守るんや……!)
龍驤(……ははっ。絶対に報われへんのに、何でウチはこんなに必死なんやろうな。自分ばかりが傷ついて、もうボロボロやのに)
龍驤(……こういうのを、惚れた弱みって言うんやろか。そうや……惚れたんやから、仕方ないやんな)
龍驤(司令官も、惚れた女……文月のことを本気で愛してたんや。だったらウチだって……大丈夫。まだやれる。ウチならやれる……!)
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