54: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/05/01(水) 00:21:36.58 ID:3V1PGSXQ0
「プロデューサーさん、さっき、なんで慌ててたんすか?」
「……引き抜きの話でも出たのかと思った」
「引き抜き……あー、誘われたっす。それもなんと、諸星きらりちゃんから」
「なんだと」
「あ、もちろん、断ったっすよ」
ほっと息をついて、反射的に立ち上がりかけてた腰を下ろす。それから、ふと疑問に思った。
「なんで断った?」
「む、プロデューサーさんは、わたしが行っちゃってもいいんすか?」
「よくない。けど、あさひにとっては良い話じゃないか? あそこはレッスン環境なんかうちとは比べ物にならないし、本物の忍者とかサンタとかフレデリカもいる。興味はあるだろ」
「だって、346に移籍したら、あかりちゃんや杏ちゃんと戦えないじゃないすか」
あさひが両手を持ち上げて、ぎゅっと握り締めた。
「次は負けないっす!」
あまりに頼もしい答えに、つい笑ってしまいそうになる。
「お前らしいよ」
「……それだけじゃないっすけどねー」
あさひがぴょんと飛び跳ねるように立ち上がる。
「他にも理由があるのか、なんだ?」
「んー……んー……」
唸り声をあげるあさひが、あたりを行ったり来たりし、ふいに振り返って、にっこりと笑った。
「秘密っすー♪」
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