元勇者「役目も終えて暇だから孤児院開いて安価でグダグダ過ごすぞ」
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83:名無しNIPPER[saga]
2019/05/04(土) 00:25:01.40 ID:7m3Jgnfa0
「…遅い…ですね…」

「神父様…。何してるんだろ…」

雨漏りが収まっても一行に戻ってこない勇者に、孤児たちは不安を募らせる。

「…何をやっているのだ。あの男は…」

「悍ましい魔力ですね…。これが、勇者様の…魔力とでも…」

「…ほー。やっぱ、人間を辞めたのか?」

人ならざる者は、常人には分からない変化を察知していた。無論、それが良くないことであることも。

「…不味いっ!」

アルファウスが吼える刹那、教会の屋根が吹き飛んだ。降り注ぐ無数の瓦礫は、アルファウスの結界に防がれる。

「げほっ…!この化け物女…!どんだけイカれてんだよ!?」

「うふ。うふふふふ。あの伝説の勇者と渡り合えてるのねぇ、私!」

マイナの服は破れ、上半身が露出している。しかし、情欲を掻き立てるようなものは無かった。

コズミックホラーな生物と同化しているような異形が、そこにはいた。相対する勇者も、右腕の皮膚が消滅していた。

「…もう、隠し事もクソも無いな」

出来ることなら、見られたくなかった。だが、もう遅い。

ならば、恥も外聞も気にすることはない。正真正銘の全力で、ぶっ殺す。

光と闇の良い所取りをした勇者の魔法は、マイナの全身を切り刻んでいく。

絶望が作り出した、勇者の魔法。それは、卑怯としか言えないもの。

「お前が光だろうと闇だろうと、この魔法は問答無用で弱点を抉り取る」

「俺がイカれたからこんな魔法になったのか。こんな魔法が生み出されたからイカれたのか。もう分からねぇけどよ」

「今はとりあえず、あんたが邪魔だ。消えろ」

光のように疾く、闇のように容赦なく蝕む、悪夢のような魔法。

「凄い、凄い凄い凄い凄い凄い!こんな魔法、初めて…!」

全身を切り裂かれ、削り取られながらも、マイナは恍惚とした表情のまま消えていった。最期まで、頭の螺子が外れていた女だった。

「…ああ。終わった」

そう、終わった。こんな光景を見て、普通の人が逃げ出さない筈も無い。

細やかな夢が崩れたのを感じながら、孤児たちの方を見る。


↓1コンマが70以上でアルセナ残留、↓2コンマが60以上でミラ残留。


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