【たぬき】神谷奈緒「あたしの髪には何かが棲んでいる」
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23: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2019/04/16(火) 01:22:44.89 ID:fzUqSW1/0

「あ、でも、ああいうことはしなくていいんだぞ! クジで当たり取らせるとかさ!」

 しゅん……

 あ、ちょっと減った。

「だって、あたしがお前らをそういう目的で使ってるみたいだろ。あんなの無くたって、あたしんとこにいていいんだからなっ」

 ぽぽんっ!

 増えた。嬉しいみたいだ。
 こういうやり取りも、12年も付き合っていればお馴染みのことだった。

「ははっ。……お前らに接するみたいに、あたしも素直になれたらいいんだけどな」

 綿毛の雲はほわほわと空気の流れをなぞっている。
 見上げているうちに眠くなってきた。日付が変わってもう結構経つ。
 もだもだしてるうちに夜更かししちゃってたみたいだ。あたしは布団を被って電気を消した。

「……なーんて言ったって仕方ないよな。もう寝るよ。明日も頑張るぞ!」

 目を閉じると、綿毛たちが髪の中に戻っていく。
 そのやわらかな感触に包まれて、あたしは眠りに落ちていった。




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