荒木比奈「好きになんてなりたくなかった」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/08(月) 22:17:08.99 ID:CjH4GEOcO




「…………比奈」

「んぅ、んー……」

「……もう、酔うといつもこうなんだから」


 事務所へ申告している通りまだ一人暮らしのはずの、けれどこの頃はすっかりと自分以外の存在にも馴染んできてしまった自室。その中へ置かれた一人用のベッドの上で今、酔いに侵され頬を赤くした比奈と二人抱き合いながら過ごしていた。

 互いの休みが重なった日。正確に言えば、互いの休みをなんとか調整して重ねた日。その日の恒例を今日もまた繰り返す。どちらかの家の中、何をするでもなく一緒に過ごす恒例を。

 前日の内にあらかじめ買い込んであった食事を小腹か空く度つまみながら、普段よりも少し足場が広くなった部屋の中を、けれど贅沢に使う訳でもなく身体を互いに寄せあって。ゲームをしたり動画を見たり、内容もない話をしたり無言でただ過ごしたり。そうして日の暮れた頃、お酒を飲み始めて今に至る。


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