理樹「この間、いきなり知らない人に抱きつかれてさ」恭介「なに?」
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16:名無しNIPPER[saga]
2019/04/09(火) 22:16:33.48 ID:odG/gKHK0
自動販売機



理樹(その日、なんとなく眠れなくなって自動販売機にコーヒーを買いに行った時のことだった)

「吉谷さん!」

理樹「!」

理樹(声は自動販売機の方からした。恐る恐る木の陰からその声がした辺りを覗くと、そこには暗い影が二人分、学校の東棟の扉付近に立っていた。よく目を凝らしてみると1人は30代くらいの男の人で、もう1人の方はたまに学校で見かける60代くらいのお爺さんだった)

お爺さん「はい、ごめんなさいね・・・えっと、どれだったかな・・・」

理樹(お爺さんは用務員としていて働いているのは知っていたし、若い方も同じ作業着を着ていることから用務員の1人と見て間違いないだろう。ただ、お爺さんのと違って作業服にちょっとした装飾がなされていることから若い人は管理職か何か、とにかく普通よりちょっと偉いのかもしれない)

用務員「もうとっくに交代の時間なんですよ?あなた1人のせいで時間のズレが・・・」

理樹「・・・・・・」

理樹(お爺さんの方は一つのリングで繋がってる大量の鍵を一つ一つ扉に試してみてはまた別の鍵を刺してと、あまり効率の良さそうではないやり方で扉を開けようとしていた。それをイライラした顔で後ろから見ている若い方の用務員)

お爺さん「ハハハ、ええと・・・」

理樹(後ろからの怒声をごまかし笑いしつつ焦った動きで鍵をイジるお爺さん。・・・見たところ若い方の人が怒っていること自体はなにもおかしくないのだろう。むしろ、この状況では作業を終えていないお爺さんが悪いのは明白だった。でも、若い人がああも自分の何倍も生きているであろう年寄りを頭ごなしに叱りつける姿というのは見ていられない)


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