三峰結華「大人の味にご用心」
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7: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/04/05(金) 17:30:19.48 ID:iywvaqaG0


 
 コトン。

 空になったコーヒーカップを置いて、俺は伸びをした。
 雨は相変わらず降り続けているが、さっきよりは音も小さくなっている。
 帰るならそろそろだろう。
 ところでずっと無言を貫き通している彼女は、未だご機嫌斜めなままなのだろうか。

「……そろそろ帰るか?」

「んー、もう少しノンビリしてこっかなーと」

「さっさと帰るんじゃなかったのか?」

 既に彼女のコーヒーカップも空になっていて、やる事も特に残っていない筈だ。
 であれば何故、未だに帰らず事務所に残っているのだろう。
 雨宿り、では無いだろう。
 彼女は雨を楽しめる人間なのだから。

 ついでに言えば時間を効率良く使う人間だった筈なのに、何故ずっと何もせずにただソファに座っているのだろう。

「Pたんはもう帰る?」

「いや、結華が残るなら俺も残るよ」

「あらあら、殊勝な心掛けですこと」

「にしても手持ち無沙汰だな……コーヒーもう一杯淹れるか」

「はづきさんにカフェイン摂り過ぎに注意って言われてなかった?」

 そう言えばそうだった。
 はづきさんは俺がどうせ最低二杯は飲むだろうと見越して注意したのだろうか。

「読まれてるなぁ」

「読まれてるねぇ」





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