加群「鏡の向こうの」
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8:名無しNIPPER[sage]
2019/04/03(水) 21:15:24.72 ID:pOwoTKMWo

 無感動に歩みを踏み出す彼の足元に転がる生体部品もまた、その演出の一部か。
 彼女の異様なシルエットを形作っていたもの。ただの血と肉と金属で出来た鎧のようなもの。
 詳細は不明だが、恐らくはこれらにもそう特別な機能はない。多少は改造されていても、通常の駆動鎧の域を出ないだろう。
 血と肉の主たる役割は外見を誇張する為の虚飾だ。自分を暗闇に隠しながらも他者の目を気にする、臆病な心性の一端。

(ここに人間を誘い込んで効率的に捕獲する為という側面もあるのだろうが……まあそれはもういい)

 別に彼は断罪者ではない。
 彼女がどれだけの人間をどのような実験に利用するつもりだったのかということには、大きな興味はなかった。
 無論、これから頑張ってくれたまえなどど宣うつもりもないが。

「しかし、やはりこれは使えないな」

 倒れ伏した彼女に近寄る途中で、加群はおもむろに手にしていた銃を手放し、自らの足で踏みつけ破壊する。
 何の躊躇も無かった。一撃で異形を薙ぎ払った異端のテクノロジーの塊は、同じく一撃でスクラップに変わる。
 今回は使われなかった、強烈なバックファイアによって使用者を確実に殺傷する機構も例外ではない。

(威力はまあそれなりだが、単発の威力に頼る形では殺し切れたか確証が持てない。互いに)



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