1: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:45:33.53 ID:wwyKhzBr0
眠れない。
その日はなぜか眠ることが出来なかった。
積み重なった小さな悩み、それが不安となって私の睡眠を妨害する。
布団を頭までかぶって瞼を閉じると不安はビジョンとなって浮かぶ。
確かにアイドルという一般的な女子高生とはかけ離れた生活をしているかもしれない。
しかし私だってまだ17歳の女の子なんです。こんな気分にだってなる日だってある。
原因はなんてことはない、今はどこもかしこも卒業シーズンなので自分もそのことについて考えてしまった。
ただ私の場合は学校についてではない、アイドルからの卒業についてだ。
学校と同じようにアイドルも卒業しなければいけない日は必ず来る。
そのとき私は上手く笑えるのだろうか、答えなど出るはずもない問題に頭を悩ませていた。
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2: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:47:08.19 ID:wwyKhzBr0
部屋に響く時計の針の音、決まったテンポで刻まれるそれがいやに大きく感じた。
そのままベッドにいても眠れないままなので勢いをつけて起き上がる。
3: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:47:35.16 ID:wwyKhzBr0
居ても立っても居られずスマホを手に取り連絡先を確認する。
そうは言ってもこんな時間だ。起きている人の方が少ないだろう。
4: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:48:11.82 ID:wwyKhzBr0
『起きてるが、どうしたんだ?』
『なんとなく眠れなくて……』
5: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:48:46.26 ID:wwyKhzBr0
「早く寝ないとダメだよ……」
『それを頼子が言うか?』
6: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:49:42.26 ID:wwyKhzBr0
『それで、なにか悩みでもあるのか?ただ雑談したいだけならそれはそれで別にいいが』
「本当にたいしたことじゃないんだけどね……」
7: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:50:21.56 ID:wwyKhzBr0
晶葉ちゃんは黙って聞いてくれた。通話口から作業音がしなくなっていた。手を止めてまで聞いてくれているのだろう。
私が話し終えるとかちゃかちゃとまた作業を再開した音が聞こえる。そして、晶葉ちゃんの力強い声も。
8: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:51:16.91 ID:wwyKhzBr0
簡単で簡潔な言葉だけどどこまでも力を持っていた。
まだちょっと不安だけど晶葉ちゃんなら信じられる。
9: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:51:45.87 ID:wwyKhzBr0
「な、なにをさせるの……?」
『今作っているロボの実験台になってもらうよ』
10: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:52:22.90 ID:wwyKhzBr0
「それじゃあ……、そろそろ寝ます……。ロボ作りもほどほどにね……」
『ああ、おやすみ。なにかあったらまたいつでも頼ってくれ』
11: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:53:49.49 ID:wwyKhzBr0
以上で短いけれど終わりです。
晶葉と頼子の距離感は素晴らしいのであきよりは流行ってください。
12: ◆foQczOBlAI[saga]
2019/03/31(日) 23:54:53.59 ID:wwyKhzBr0
一月のあきよりSS
古澤頼子「彼女が白衣を脱いだなら」
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