【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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353:名無しNIPPER[sage]
2019/07/04(木) 16:15:26.09 ID:Em5dcxR8O
生きる

このまるで目に光のないこの女の名前は西住みほという。一応、形式的にはこの物語の主人公である。
彼女は毎朝この道を歩いて職場に向かう。
一見端から見れば彼女は忙しそうなごく普通の社会人のようには見えるだろう。
しかし、それは大きな間違いである。
実際には彼女の心は全くの病的な状態にあり、その目にはなにも映ってはおらず、周囲に対しても完全に無感動そのものなのだ。
彼女はただ毎日機械めいて会社に出社しこの椅子に座って必要最低限の仕事をさも忙しそうにこなし他と一切の交流もなく椅子の人となる。
それがここ数年の彼女の全てである。恐ろしいことに他には本当に何もないのだ。
仮に彼女をそれなりに知る者であるならば、そこに虚無とでもいうのだろうか、言い知れぬような何か、もしくはもっと恐ろしいものの片鱗をかいまみることだろう。彼女は終始にこやかに何事もそつなくこなし微笑んではいるが、それはあくまで辛うじて整えた外面に過ぎず、事実、この西住みほという人間の一切合切は、生きているという演技なのである。

「西住くん、...君、やる気あるのかね?」

「...え...はい...すみません」

結論を言おう。この西住みほという人間は、今日から3ヶ月後の朝方、遺体で発見される。
死因は_自殺だ。
その前提の元、この物語は始まる。
これは西住みほ、最後の頑張り物語である。

ででーん。エンターエンターみっしょーん


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