【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]
2019/06/30(日) 00:29:18.80 ID:GvqkCp0m0
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甲高いチャイムの音が、みほの意識を浮上させる。
どれだけ深い眠りについていようとも否応なしに目覚めを引き起こすその音は、ある種の条件反射を引き起こすのかもしれない。
一回。
二回。
チャイムが押されると、今度は扉の向こうから声が聞こえてきた。
沙織『みほー!!もう行くよー!!』
その聞きなれた声は、けれども今聞こえるには不自然で、みほは布団を跳ねのけるように起き上がるとまだ寝ぼけている頭を揺らしながら玄関に向かい、扉を開けた。
沙織「あー!まだパジャマなのー?良かった迎えに来て……」
扉の前で待っていた沙織は呆れと安心を混ぜ込んだようなため息を吐く。
対してみほはあっけにとられたまま目を見開いていた。
みほ「なんで……」
突然の訪問はみほの予定には無かった。
もちろん今日が決勝の日だという事は承知しているが、今までの試合と同様集合場所に各々集まる予定だと思っていたからだ。
みほが驚きと疑問で漏らした呟きに沙織は一瞬目を伏せると、眉尻を下げて微笑む。
沙織「……みほさ、お姉さんの事で色々悩んでそうだし、ちょっと朝起きるの辛いかなって。麻子はゆかりんたちに起こしに行ってもらってるよ」
先日のまほの訪問。その場には沙織たちもいた。
怒りなんて言葉では足りないほどのまほの激情を彼女たちも目の当たりにしていたのだ。
そしてその原因は他でもない自分で、つまり沙織たちはただただ巻き込まれただった。
だからみほはまず頭を下げた。
みほ「……ごめんなさい、迷惑かけて」
沙織「良いよ。迷惑かけてくれた方がずっと良い。何も言わずに、どっかいかれるほうがずっと嫌だから」
微笑みながら言われたその言葉に、みほは何も返すことが出来なかった。
唇を噛みしめ、ただじっと頭を下げる事しか出来なかった。
そんなみほの肩を沙織はポンと叩くとそのまま部屋に押し戻そうとしてくる。
沙織「……ほら!さっさと着替えて!!髪も梳かして!!朝ごはんにお弁当作ってきたからみんなで食べよう?」
みほ「……はい」
そのあまりにも真っすぐで優しい笑顔に、みほはただ力なく微笑み返した。
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