【ガルパン】みほ「私は、あなたたちに救われたから」
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◆eltIyP8eDQ
[saga]
2019/05/13(月) 00:53:20.24 ID:bVfjB2rg0
誰もが沈黙し、動揺する中最初に口を開いたのは桃だった。
桃「違うだろっ……そんなの、おかしいだろっ!?」
桃が泣き叫ぶように怒鳴る。
桃「お前は、何も悪くないっ!!お前がそんな苦しんで良いはずがないっ!!」
みほの手を掴み振り向かせ、感情をぶつける。
桃「お前はっ!!救われて良いんだっ!!」
涙ながらに訴える桃に、みほは本心からの笑顔と、感謝を向ける。
みほ「……ありがとう、桃ちゃん。やっぱり私、あなたの事が好きだよ」
感謝と、好意を表したその言葉に込められた意味は、拒絶だった。
桃は絶句し、そんな彼女を悲しそうに見つめるとみほは沙織たちに向き直る。
みほ「桃ちゃんだけじゃない。沙織さんたちの事も、みんなみんな、大好きだよ」
みほは今にも泣きそうな笑顔で微笑みかける。
沙織も、優花里も、華も麻子も、何も答える事が出来ない。
みほ「それでも……みんな、ごめんね。私は……今ここにいるあなたたちよりも――――エリカさんとの過去の方が大事なんだ」
大洗での日々は楽しかった。
紡いだ絆は確かにあった。
それでも、みほにとっての『世界』はエリカと共に過ごした日々のままだった。
みほ「エリカさんはもう、いない。全部全部過去で、今も、未来にも、あの人はもういない」
残った記憶さえ崩れていく。それでも、エリカと過ごした日々以上は無いと、みほは断言する。
みほ「だから私は、あの人がいた過去を、あの人を過去にしてしまった自分への怒りを失うわけにはいかないの」
みほが自身の胸元をかきむしるかのように掴む。
そこに宿った怒りは、憎しみは、痛みは、いつだってみほを苛み、みほを生かしている。
みほ「エリカさんを失った『痛み』まで失ったら私は……死ぬことさえできなくなるから」
みほにとってそれは死ぬことよりも怖いものだった。
例え全てを失っても、家族も、友も裏切っても、それでも、守らなければいけない決意だった。
みほ「私は生きるの。生きないといけないの。死ねない代わりに、生き続けるの。それが、エリカさんの望みだから」
大きな月の銀色の光の下、みほの静かな慟哭が響き渡った。
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