52: ◆2DegdJBwqI[saga]
2019/04/09(火) 05:31:36.68 ID:5hqp11NNo
マスクが手渡されて、装着し、それから再び二人の視線が絡み合って、
「おはよう」
と笑美莉は言った。
口元を覆うマスクで、声はくぐもっていた。
「あの、ひどい風邪だって、えっと、聞いた、から……」
と智子はつっかえつっかえ言いながら、無意識に唇を噛んでいた。
続けたかったのに、続けられなかった言葉。
心配だったから来た。
笑美莉が寝入る直前までメッセージを送りあっていた友だちを介して、風邪の悪化を知った智子は、わざわざ笑美莉の家までやって来た。
様子を見に来てくれた。
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