【モバマス】加蓮「止まない雨を」-SS速報VIP

【モバマス】加蓮「止まない雨を」

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10: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:04:09.93 ID:S9/scu+mO
　部屋を出ていく彼を見送って、再びPCに向かおうとしていると、ソファに掛けていた神谷さんがぬっと立ち上がった。
　油の切れたロボットのような妙な足取りで、ギシギシとこちらに歩いてくる。

「うわ……え、どしたの奈緒」

以下略 AAS

11: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:05:05.08 ID:S9/scu+mO
　きゃいきゃいとじゃれ合う二人を眺めていると、事務所の扉が開く。

「お疲れ様です。……あれ。何騒いでるの、二人して」

　イヤフォンを外しながら入ってきたのは、渋谷さんだった。神懸かったタイミングでの登場に、思わず笑いそうになってしまう。

以下略 AAS

12: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:05:56.54 ID:S9/scu+mO
　三人はそのまま、ソファでしばらくお喋りを続けていた。時計は間もなく十九時を指そうとしている。

　彼女達の会話の隙間を見て、俺は加蓮に声を掛けた。

「まだ雨降っているみたいだけど。帰り、送っていこうか？」

以下略 AAS

13: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:06:53.62 ID:S9/scu+mO
　笑顔で威嚇する加蓮を宥めながら、二人にも訊ねる。

「神谷さんと渋谷さんも。良ければ一緒に送っていくよ」

　その提案に顔を見合わせた二人は、揃ってニッと笑った。

以下略 AAS

14: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:07:45.60 ID:S9/scu+mO
「……残念だな。両手に花かと思ったのに」

　そう言う俺の肩を叩いて、加蓮は唇を尖らせる。

「ここに綺麗な花が一輪、まだ残ってるでしょー」

以下略 AAS

15: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:08:54.89 ID:S9/scu+mO
　元気な奴等だなあ……。
　何だか微笑ましく感じながら、机回りを整理する。しばらくすると、少し息を切らして加蓮が戻ってきた。

「あれ、渋谷さん達は？」

以下略 AAS

16: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:09:42.91 ID:S9/scu+mO
「ファミレスといい、ファストフードといい……。本当好きだよなぁ」

　ドリンクバーから戻ってきた加蓮に対して、俺はそう言った。

　帰り道のファミレスで俺はハンバーグセット、加蓮はドリアとサラダを食べた後のこと。

以下略 AAS

17: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:10:29.02 ID:S9/scu+mO
「毎回残す癖に、なんで『山盛りポテト』頼むんだよ……」

「あれぇ、おかしいなぁ。今日は何かいけると思ったんだけど」

「チャレンジ精神をそんな所で、発揮するなっつうの」

以下略 AAS

18: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:12:23.62 ID:S9/scu+mO
　カップにコーヒーを注いでテーブルに戻ると、加蓮は窓の外を眺めていた。

　その横顔が先程までと打って変わり、陰っているようで、俺は目を瞠った。
　椅子に掛けながらそれとなく訊ねる。

以下略 AAS

19: ◆RZFwc/0Dpg[sage saga]
2019/03/11(月) 17:14:18.25 ID:S9/scu+mO
　窓の外を一瞥してから、俺は答える。

「……あぁ、見えるよ。ここら辺でも一番大きいよな」

　加蓮の細く白い指の先には、どっしりとした総合病院があった。黒々とした夜の中で立つ病院は、雨に打たれてその存在感をより強めているように見えた。

以下略 AAS

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