9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/03/10(日) 00:23:48.60 ID:mXNAEsvV0
「千早ちゃん……って、やっぱり凄いですね」
路上販売を始めて十数分、僕の隣では並べかけのCDを持った春香が固まっていた。
いや、周りを見渡せば彼女だけじゃない。
通りを歩いていたあの人、この人、その人だって
――おっと、あれは僕らとは別のパフォーマーだ――
誰もが一度は歩みを止め、そうでなくても視線で千早を追っていた。
それぐらい、彼女の歌は鋭かった。
音響何てあったものじゃない屋外の、
それも雑踏と隣接する場所でも聞き取りやすい千早の声は予想通りに聴衆の興味を引いた。
スマホを構えている人の姿も見える。
彼女は今、間違いなくこの場の中心に立っていた。
自分を中心としたステージをここに作っていた。
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