6: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2019/03/10(日) 00:21:03.25 ID:mXNAEsvV0
「だからちょっとした実験をしてみようよ。実はここに、昨日出来たばかりの君の歌声の入ったCDがあります」
言って、僕はデスクに置いてあったCDの詰め合わせを見せる。
千早の眼の色がすぐ変わった。「それって――」彼女が身を乗り出す。
「この前収録をしに行った」
「そう、これが記念すべきデビュー曲になるね」
「……今すぐ聴かせて頂いても?」
「お金を払ってくれるならね」
僕からCDを渡されると、千早は新しい玩具を受け取った子供のようにそれを眺めた。
レッスン用の曲であるとか、他の子の為のデモであるとか、
彼女は歌に関係する物や事柄と向き合った時だけ今のような表情を見せる。
そこにプロデューサーとしての意見を添えるなら、
その顔をもっと色んな人や物に向けられればまずまず合格なのだけれど。
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