3: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:23:40.30 ID:FnJRNZ1i0
「――昨日は、事務所を出るのがいつもより遅くなってしまって……」
「帰りに、プロデューサーさんと牛丼屋さんに行ったの――」
――私に、昨夜の出来事を話すこの人――
4: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:32:56.53 ID:FnJRNZ1i0
甘奈「今日のレッスン、結構ハードだったねー」
甜花「うん。甜花、今日も失敗ばっかりしちゃった」
――大崎甜花。私が最も多くの時間を一緒に過ごしてきた存在
5: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:33:59.69 ID:FnJRNZ1i0
甜花「――なーちゃん、ごめん」
甜花「甜花、クマさん、とれなかった……」
あの夏。縁日。あの屋台。
6: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:35:44.61 ID:FnJRNZ1i0
甘奈「今日のお仕事終わりっ☆ 甜花ちゃん、一緒に帰ろー?」
甜花「にへへ……甜花、今日はダンスの特訓お願いした」
甜花「だから、なーちゃんは先に帰ってて」
7: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:36:58.09 ID:FnJRNZ1i0
私、大崎甘奈は
今しかできないことを精一杯したくて
283プロのアイドル「甘奈」となった
8: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:37:38.94 ID:FnJRNZ1i0
P「……甘奈、本当に思っていることがあるなら、言っていいんだぞ」
甘奈「えっ……何もないよ!」
――嘘。
9: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:39:20.10 ID:FnJRNZ1i0
――「ふたりの関係は変わっていく」
――でも
――「甘奈も輝き始めている」
10: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:39:56.47 ID:FnJRNZ1i0
私、大崎甘奈は、かつて読書が趣味のおとなしい女の子だった
人間の嗜好というものは、本質的に変わらないものらしく
「甘奈」となった今も、時折哲学などに触れてみたりする
11: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:40:52.60 ID:FnJRNZ1i0
――もしも、私が思いを伝えれば
――いつか、私の思いが届いたならば
――やがて、今とは違う関係になり
12: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:41:24.42 ID:FnJRNZ1i0
私、大崎甘奈と、姉、大崎甜花は、
あの日を境に陰と陽が入れ替わり
私はその状態にある種の心地よさを感じていた
13: ◆xYQO9QFt9s[saga sage]
2019/03/09(土) 03:42:35.07 ID:FnJRNZ1i0
千雪「――昨日は、現場から帰るときに突然雨が降り出しちゃって……」
千雪「プロデューサーさんと、観覧車で雨宿りすることになったの――」
――私は、千雪さんと同じ思いを抱いている
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