26: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/03/09(土) 12:03:35.32 ID:4S5kaQrM0
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梅雨の前、紫野菊の鮮やかさが
記憶の隅にほんのちょっぴりだけ残ってた放課後
いつもの練習の時間
同学年の二人が、家や魔界の用事で部活動をお休みした日
一番に部室に着いたマルは
椅子に腰掛けて、かばんの中の本に触れながらふと考えます
もしマルが本を読みだしたら
上級生が部室に入ってきた時に、気が付かないかもしれません
いつもなら一緒に部室に来る二人が教えてくれます
でももしマルが本を読んでて上級生の挨拶に気が付かずに無視してしまったら…?
急に怖くなって、不安でいっぱいになりました
もし、マルが一番乗りじゃなかったら
先に部室にいた相手とお話しするなりしてみんなを待てたけど
今はマルひとり
周りに気を配りながら本を読めば…そんなことはできません
本を読めば文章に集中してしまうし
周りを気にすれば文章は頭に入ってきません
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