20: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/03/06(水) 22:47:47.07 ID:c5fLfwKX0
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朝
マルは雨傘をもって、街へのバスに乗り込みます
慣れ親しんだ道の揺れを感じながら、街の三つ手前のバス停で降りて
反対の方向にしばらく歩いていきます
通りからも、住宅地からも少し離れた場所に
山と呼ぶにはあまりにも小さな山があって
丸みを帯びた古い石の階段を十段ほど登ると
なんでこんなところに作ったのか
屋根つきのベンチが二つ並んでいます
バスの止まらないバス停みたいだと、梨子さんが言ってた通りの印象
少し感激して腰かけると、ほどなく天気予報通りの雨が降りはじめました
ぽつぽつ
ぽとぽと
ぱらぱら
と、少しずつ強くなっていく雨の音と匂いを感じながら
梨子さんの言っていた世界を思い浮かべます
雨の音
静かな世界
雨と自分以外何もなくなったような感覚
雨の音楽
いつもと違う世界
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