189: ◆QjbAJuMwBnbV[sage saga]
2019/09/25(水) 21:53:51.91 ID:aYV1Vyjn0
花丸「だけどどうしてマルが樹の根元やベンチに注目してたなんてことが絵を見て分かったの?」
梨子「えっ?…さっきも言ったけど見てなんとなくそう感じたから…としか」
言い当てられたことが少し悔しくて
マルが再度同じ質問を投げかけると、梨子さんも同じ答えで返してくる
梨子さんは少し困り顔になり
もう一度マルの絵に目を落として
梨子「そうだな〜…」
と、小さく唸り改めて観察を始める
梨子「例えばこのベンチは筆圧が強くて、何かを思うか考えながら描いたみたいな…」
花丸「ふむふむ、なるほど…」
梨子「それからこの樹の根元はそう、他に比べて明らかに線が多いよね」
花丸「…たしかに」
梨子「私も丁寧に描こうとしたり、難しい物を描く時にこんな感じになること多いよ」
花丸「梨子さんもそういう風に絵にムラが出たりするんだ?」
梨子「もちろんだよ、描きながらもっと上手くもっと綺麗に描けたらいいのになって思うこと多いもん」
花丸「へえ〜…こんなに上手なのに…」
ぱらぱらと梨子さんのスケッチブックをめくりながらマルが言うと
梨子「そんなこと…でも、ありがとう」
梨子さんは謙遜の言葉を途中で切り、マルからの賛辞を受け取った
少しはにかんだその表情は、だけどもとても嬉しそうだった
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