もこっち「モテないし雨に降られる」
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4: ◆O.FqorSBYM[saga]
2019/02/27(水) 19:27:15.01 ID:LYvk9DjV0

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もこっち「...ふぅ」


彼女が座り込んだのは。

複合商業施設にありがちな休憩場所。

なにもないところにポツンと置かれた無機質なベンチ。


もこっち(平日の夕方だし、人少ねーな)


もこっち(...さて、読むか)


もこっち「...」ペラッ


──ザァァァァァァ...

眼の前にはガラス張りが。

そこから伺えるのは強めの雨たち。

その小うるさい音が彼女の読書を加速させる。


もこっち「...」ペラッ


もこっち(...この主人公、容赦ねーな)


もこっち(私もこのぐらいの思い切りが欲しいかもな)


もこっち(...でも、昔に比べれば私も度胸がついたって思える)


もこっち(以前なら人の視線が気になって、こんなところじゃ読書なんて無理だったはず)


もこっち「...」ペラッ


読書家としての血が騒ぐ。

仮に周囲から白い目で見られたとしても。

彼女はただひたすらに傑作を読み耽る、妥協などするモノか。


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