緒方智絵里「私だけの、幸せのカタチ」
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77:名無しNIPPER[saga]
2019/03/14(木) 10:37:31.75 ID:uUQDoSUJ0
そう言った後、Pは携帯電話を片手に、事務所から去っていった。


『次からは、もう少し考えて行動した方がいいですよ』と、去り際にいらない一言を告げてもいった。


「……はぁ」


誰もいなくなった事務所の中で、ちひろはもう一度、重々しいため息を吐いた。


「……明日から、あの二人に顔を合わせるのが憂鬱だわ」


記憶を消せるのであれば、消してしまいたい。


過去に戻れるのであれば、数分前に起こした自分の軽率な行動を止めてしまいたい。


そうは思っても、どちらも叶いはしない願いである。


起きてしまった以上、知ってしまったからには、その現実を受け入れるしかなかった。


それでもちひろは、そうなって欲しいと願わずにはいられなかった。







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