不死講
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19:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/03/04(月) 23:29:43.54 ID:BQ4P3nWK0
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 頭が重い。思わぬ臨時収入で羽目を外しすぎたせいだ。
僕は、冴えたとは言えない思考で改めてシュレディンガーの猫について思い出す。

異なる二つの可能性を同時に内包する猫。死んでいる状態と生きている状態が折り重なった猫。
いや、これが単なる批判的な思考実験に過ぎないことは僕でもわかっている。

しかし、これほどに僕の心を揺さぶる格好いい言葉なんだ。
思考実験だろうが何だろうが、世界に、いやこの宇宙に一匹ぐらいそんな猫が存在してもいいじゃないか。

それぐらいのご都合主義は許されるべきだ。
ハッピーエンド万歳。ご都合主義歓迎。無病息災。南無。


そういえば、神を名乗る隣人が僕に「無限の可能性」を授けてくれたんだったな。
まあ、死んでいるのと生きているのが同時に起こるんだ。無限の可能性を内包していても不思議ではあるまい。


「そういうわけで、君の名はシュレディンガーに決定だ」


「みゃあ」


ちなみにネットで調べたところによるとシュレディンガーは、オーストリア出身らしい。
オーストリア?それってドイツのどこよ。


はてさて、最大の謎であったシュレディンガーの出身地も判明したところで締めに入ろう。

これは、探偵で歩くラジカセである僕と、オーストリア出身のおっさんの名前を与えられた猫。
このクレイジーワールドで唯一正気を保った、一台と一匹の異世界転移物語である。
残念ながら、物語はまだまだ続く。

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第二夜 異世界に飛ばされた僕は探偵稼業で食っていく

〜シュレディンガーの猫〜

おわり

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