【シャニマスSS】霧子「チョコレート、ツツジの花、フォークダンス」
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◆/rHuADhITI
[sage saga]
2019/02/15(金) 00:14:16.01 ID:zDo8rKZ40
だから、それは不意打ちだった。
P「霧子のダンス、上手になったよな」
ゆったりとした曲の最中、プロデューサーさんがそう呟いた。
霧子「そう……なんでしょうか……?」
P「間違いないよ。俺はダンスの専門家じゃないけど、霧子のことはずっと見てきたから」
霧子「……ありがとう、ございます……」
P「俺に礼を言うことじゃないよ。霧子は、いつもレッスンに一生懸命だったからな。当然の結果だ」
霧子「……あ、あり……ご……ます……」
声が消え入りそうになる。
やっぱり、プロデューサーさんはずるい人だと思った。
『ダンスレッスンの成果を、誰かに認めて欲しかったんだ』
隠そうとしていたそんな気持ちを、プロデューサーさんは、あっさりと撃ち抜いた。
霧子(そうだよ……プロデューサーさんは、ずるい人だ……)
わたしが半日かけて自覚した気持ちを、殆ど話していないのに言い当ててしまう。
今のように、隠そうとしていた気持ちを軽々と暴き出してしまう。
そして、その上で、どんな気持ちも受け入れて肯定してくれる。
一番欲しい、言葉をくれる。
思えば、この人はずっとそうだった。
こんなに深く深く、汚い所も綺麗な所も、全て見抜いて受け入れてもらえるのならば
『変わらなくちゃ』なんて気持ち、弱まって当然だ。
そんなのずるい。
ずるくて、ずるくて、ずる過ぎて──
何より暖かくて、愛おしい。
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