【シャニマスSS】霧子「チョコレート、ツツジの花、フォークダンス」
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26: ◆/rHuADhITI[sage saga]
2019/02/15(金) 00:14:16.01 ID:zDo8rKZ40
だから、それは不意打ちだった。

P「霧子のダンス、上手になったよな」

ゆったりとした曲の最中、プロデューサーさんがそう呟いた。

霧子「そう……なんでしょうか……?」

P「間違いないよ。俺はダンスの専門家じゃないけど、霧子のことはずっと見てきたから」

霧子「……ありがとう、ございます……」

P「俺に礼を言うことじゃないよ。霧子は、いつもレッスンに一生懸命だったからな。当然の結果だ」

霧子「……あ、あり……ご……ます……」

声が消え入りそうになる。

やっぱり、プロデューサーさんはずるい人だと思った。

『ダンスレッスンの成果を、誰かに認めて欲しかったんだ』

隠そうとしていたそんな気持ちを、プロデューサーさんは、あっさりと撃ち抜いた。

霧子(そうだよ……プロデューサーさんは、ずるい人だ……)

わたしが半日かけて自覚した気持ちを、殆ど話していないのに言い当ててしまう。

今のように、隠そうとしていた気持ちを軽々と暴き出してしまう。

そして、その上で、どんな気持ちも受け入れて肯定してくれる。

一番欲しい、言葉をくれる。

思えば、この人はずっとそうだった。

こんなに深く深く、汚い所も綺麗な所も、全て見抜いて受け入れてもらえるのならば

『変わらなくちゃ』なんて気持ち、弱まって当然だ。

そんなのずるい。

ずるくて、ずるくて、ずる過ぎて──

何より暖かくて、愛おしい。


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