【シャニマスSS】霧子「チョコレート、ツツジの花、フォークダンス」
1- 20
23: ◆/rHuADhITI[sage saga]
2019/02/15(金) 00:10:47.59 ID:zDo8rKZ40
事務所のレッスンスタジオ、そこの音響機材とノートパソコン。

それらを接続しようと、プロデューサーさんが作業をしている。

それを手伝うことができずに、わたしはそれを見つめている。

P「……俺さ」

間を気にしたのか、プロデューサーさんが語りかけてくれる。

P「俺はさ、プロデューサーだろ?」

霧子「……はい……」

P「プロデューサーが第一に考えるのはアイドルのことだ。良い意味だけじゃなく、悪い意味でも」

商品価値だとか企業戦略だとかさ、と寂しそうに付け加える。

P「そういう立場の人間だからさ。アイドル『幽谷霧子』を優先して、霧子本人に損を強いることもあると思う」

霧子「そ、損だなんて……!」

P「強いているよ。仕事の為に学校を休ませるなんて、その最たるものだ」

プロデューサーさんの声に、強い怒りとか悲しみは感じない。

P「その辺りはお互い納得できていることだと思ってるから、一々悩んで立ち止まったりはしないけどさ」

感じるのは諦観と哀憫。

P「そうは言っても、そこに罪悪感を覚えないわけじゃない。それを割り切れるほど俺は強くなれない」

そして、自嘲と決意。

P「だから、大切にしたいんだ。アイドルとして必要なものも、不必要なものも。霧子が感じたもの全部を」

そこでちょうど、音響機材が動き始める。

緩やかなBGMが空間を流れ出す。

プロデューサーさんの声に、力強さの様なものが宿る。

P「立場が最優先になってしまうけど、それでも、俺はそれ以外にだって全力を尽くしたい」

そこでようやく、わたしは勘違いに気が付いた。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
37Res/39.39 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice