【シャニマスSS】霧子「チョコレート、ツツジの花、フォークダンス」
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◆/rHuADhITI
[sage saga]
2019/02/15(金) 00:10:47.59 ID:zDo8rKZ40
事務所のレッスンスタジオ、そこの音響機材とノートパソコン。
それらを接続しようと、プロデューサーさんが作業をしている。
それを手伝うことができずに、わたしはそれを見つめている。
P「……俺さ」
間を気にしたのか、プロデューサーさんが語りかけてくれる。
P「俺はさ、プロデューサーだろ?」
霧子「……はい……」
P「プロデューサーが第一に考えるのはアイドルのことだ。良い意味だけじゃなく、悪い意味でも」
商品価値だとか企業戦略だとかさ、と寂しそうに付け加える。
P「そういう立場の人間だからさ。アイドル『幽谷霧子』を優先して、霧子本人に損を強いることもあると思う」
霧子「そ、損だなんて……!」
P「強いているよ。仕事の為に学校を休ませるなんて、その最たるものだ」
プロデューサーさんの声に、強い怒りとか悲しみは感じない。
P「その辺りはお互い納得できていることだと思ってるから、一々悩んで立ち止まったりはしないけどさ」
感じるのは諦観と哀憫。
P「そうは言っても、そこに罪悪感を覚えないわけじゃない。それを割り切れるほど俺は強くなれない」
そして、自嘲と決意。
P「だから、大切にしたいんだ。アイドルとして必要なものも、不必要なものも。霧子が感じたもの全部を」
そこでちょうど、音響機材が動き始める。
緩やかなBGMが空間を流れ出す。
プロデューサーさんの声に、力強さの様なものが宿る。
P「立場が最優先になってしまうけど、それでも、俺はそれ以外にだって全力を尽くしたい」
そこでようやく、わたしは勘違いに気が付いた。
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