分別のつかない僕っ娘「要するに、善悪とは主観的なものなんだよ」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/03(日) 21:07:16.69 ID:akmR/FL90
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

それはまるで、この世全ての善を、嘲嗤い。
この世全ての悪を嘲嗤うかのような、哄笑。
今、この時、この瞬間、善悪など存在せず。
全ては愉悦に呑まれ、価値基準を見失った。

「うぅ……酷いや」

まるで、嵐のような愉悦が吹き荒れた後に遺されたのは、か細い少女の、すすり泣きだった。

「君がこんな人だとは思わなかった」

私とて自分がこんな人間だとは思わなかった。

「君はずっと、僕を騙していたんだね」

私は本性を隠して、自分すらも、騙していた。

「き、嫌わないで……」

なんとか絞り出したのは、そんな一言だった。

嫌われたくなかった。
邪悪な私を拒んで欲しくなかった。
この子だけには、受け入れて欲しかった。

「本当に、君はズルいね」
「……ごめん、なさい」
「本性を晒したら嫌われると思ったのかい?」
「違っ……そんなつもりは、なくて……」

自分でも知らなかった一面に戸惑っていると。

「嫌うわけないじゃん」
「えっ?」
「ますます、君を好きになったよ」

この子はこんな私を、好きだと言ってくれた。


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