北条加蓮「藍子と」高森藍子「雑貨カフェで」-SS速報VIP

北条加蓮「藍子と」高森藍子「雑貨カフェで」

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13:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:40:17.52 ID:Ig5EVnBQ0
「仲良しなんですね」
「えへっ。よくケンカもしちゃいますけれど……」
「喧嘩かぁ。私もよくしちゃうなぁ」
「そうなんですか？」
「お姉ちゃっ……あ、じゃなくて。店長も私も、結構頑固なところがありますから。例えば――」

以下略 AAS

14:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:40:47.61 ID:Ig5EVnBQ0
「今日は、他のお客さんがいないんですね」

私の疑問と全く同じタイミングで、藍子が尋ねる。

「いつもは結構いらっしゃるんですよ。中には、開店の時間から閉店の時間までずっと居続けてくださる方もいて……」

以下略 AAS

15:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:41:17.50 ID:Ig5EVnBQ0
……藍子、アンタ前からここに通ってたとかじゃないわよね？
私に教えてくれた"ししおどしのカフェ"って、やっぱりここのこと？
それならもっと前から教えてくれればよかったのに。もしかしたらここ、第２の"いつものカフェ"になってたかもしれない。それくらい心地がいいんだもん。

軽くパンケーキを咀嚼してから、ま、いっか。と飲み込む。

以下略 AAS

16:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:41:47.50 ID:Ig5EVnBQ0
へー、と思わず呟いた。

カフェアイドルで有名、か。確かにコラムは結構書いてるし、そうじゃなくても藍子がカフェ好きだってことはファンの間でも有名な話だもんね。
今さらと言えば今さらのこと、ではあるけど。
身体の中を、天然水がさらさらと流れていくような心地よさを感じた。

以下略 AAS

17:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:42:17.99 ID:Ig5EVnBQ0
「人気のメニューはっ」
「お陰さまで、コーヒーが好評をいただいてます。……でも、これいつもは店長が淹れてるんですよね。今日は私が淹れましたけど、どうしても店長には敵わなくて……」

ぼやけた２人の姿を後ろ目で見ながら、残り半分くらいになったコーヒーを一気に飲み干した。
最初に感じるのは、ほろ苦さ。舌の上に、ほんの僅かにじゃりっとした感覚が残る。

以下略 AAS

18:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:42:47.69 ID:Ig5EVnBQ0
さーて、と。

最初に言っておくけど寂しいなんて気持ちはこれっぽっちもない。これはアレと同じ。いつものカフェで……いやいつもの場所じゃなくてもいいや。とにかく藍子と一緒にいるけどあんまり会話をしてない時のような、でも別に気まずくはない的な。
ただたまには喋りたくもなる。アレと同じ。だから寂しい訳じゃない。いい？　誤解しちゃダメだよ？

以下略 AAS

19:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:43:17.99 ID:Ig5EVnBQ0
「藍子さ――」

名前を呼んで、だけど私は何が言いたかったのだろうと思い返す。
アイドルやってるじゃん、って話がしたかったんだと思う。
でもその為に何の言葉を用意する？　当事者で、元凶の私が？

以下略 AAS

20:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:43:47.76 ID:Ig5EVnBQ0
「加蓮ちゃん、雑貨は見なくていいんですか？」
「……藍子ー？　さすがにナチュラルにハブられると私でもヘコむよ？」
「へ？　……ああっ、そういう意味じゃなくて～っ」
「あはは、分かってる分かってる。見足りなかったらまたいつか見に来るよ。ここすっごく心地良いし」

以下略 AAS

21:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:44:17.99 ID:Ig5EVnBQ0
ぱたぱたとカウンターの奥へ向かう店員の背を目で追う。
まあ、私もそれなりにカフェに慣れてきたのかな。藍子程じゃないけど――

……もしかして。

以下略 AAS

22:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:44:47.97 ID:Ig5EVnBQ0
……ううん。この考えは、少し嫌だな。
私だって自分の価値くらい分かってるつもりだよ。藍子の役に立てることだって、きっとある。
その上で、この考えは嫌だって思う。
そうじゃなくて、もっと別の意味で、私は藍子の隣にいたくて――

以下略 AAS

23:名無しNIPPER[saga]
2019/01/18(金) 18:45:18.00 ID:Ig5EVnBQ0
「なに、って……。ぼうっとしているから、どうしたのかな？　って。……疲れちゃいましたか？」
「ううん、ちょっと考えごと。藍子のことでね」
「私のこと？」
「……あー、うん、まぁ」

以下略 AAS

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