26:名無しNIPPER
2019/01/11(金) 20:38:34.51 ID:6bUZbsq+0
彼女は大学生なのだが、特定の曜日に決まってカフェに訪れては紅茶を飲みながら読書に勤しむ。
美人の読書姿は非常に様になっているが、下手に近付くと火傷どころか塵1つ残りはしない。
初めて彼女に接客した時もそりゃあ大変だった。
「いらっしゃいませー! こちらメニューです、お決まりになったらお声かけ下さい!」
営業スマイルを携え、俺はマニュアル通りに接客をした。しかし彼女にそんな常識は通用しない。
「……あぁん?」
……蛇に睨まれた蛙、という言葉がある。俺はあの言葉を比喩ではなく肌で感じた。
「……新人ね。覚えておきなさい、私がここに座ったら黙ってアールグレイを持ってくること」
「は、はぁ……」
「チッ!」
ここにいたらヤバい、そう感じた俺はすぐに厨房へと逃げた。
彼女の注文を伝えると、マスターは苦笑いしながた教えてくれた。
「時子様には黙って品物を出すしかないよ。諦めな」
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