80: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:32:43.67 ID:p8Id/7Jt0
杏は落ち着いた様子で左端の歩を突き、巴が応じると今度は右端の歩を突いた。
杏の指し手は早い。時間制限を設けているわけでもないのに、一手あたり一分かそこらで手を繰り出す。巴はつい自分も早く指さなければならないと焦るのを堪えて、一手一手、熟考しながら指し手を選んだ。
やがて駒がぶつかり、小競り合いが繰り返される。主に巴が仕掛け、杏が受ける形だったが、決定的な隙はなく、なかなか攻め込むことができない。やはり杏は強い、と胸が熱くなるのを自覚しつつ、巴は集中力が研ぎ澄まされていくのを感じた。
幾度かの駒の交換があり、杏が銀二枚を、巴が金と桂を一枚ずつ多く持つ形となった。損得で云えば、ほとんど差はないだろう。
杏が持ち駒の銀を打ち、巴の角にぶつける。
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