だいたいなんでも解決してくれる杏ちゃん小品集
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70: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2019/01/03(木) 20:17:59.11 ID:p8Id/7Jt0
 巴はガチャリと音を立ててその部屋に入った。どこからか微かに、すうすうと寝息らしきものが聴こえる。
 奥に足を進めると、音の発生源がソファに横たわっている姿が目に映った。

「寝とるんか……」

 声が届いたのか、それとも気配を察知したのか、ううんと声を上げて杏が薄く目を開く。

「……いま、何時?」

 寝惚けたような声で、杏が訊ねる。

「午後の五時じゃ」

「もうそんな時間か……」

 杏が体を起こし、大きく伸びをする。

「邪魔してもうたか」

「いや、もう十分寝たから……ていうか、巴はなんでここに?」

「ちいとばかり話――いや、頼みがあっての」


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